急になんだか、アイスが食べたくなった。











もう夜で、しかも今日は阿部くんがウチに泊まってる日で。
けど、でも、だけど、だって、食べたいんだ、アイス。
どうしても食べたい、アイスが。
棒じゃなくて、コーンの。
ワッフリじゃなくて、ちょっとフニャフニャの。
そう、あれだ、スーパーで売ってる、箱入りじゃないほうの、ソフトクリームの形のアイス。



アレが、食べたい!




「阿部くん!」
「うお!?」

コタツの机の上でスコアノートと何かのデータを広げてにらめっこしてた阿部くんに、横からタックルをかける。
完全に油断してたらしい阿部くんは、横からオレに押し倒される格好になって、もふもふのカーペットの上にべしゃりと倒れこんだ。
あ、ごめん、阿部くん。悪気はないんだよ。
でも、オレ、オレ、オレは!!

「阿部くん!食べたい、オレ!」
「・・・はい?」

真っ黒でタレがちな目が心底不思議そうに見開かれて、オレは、あ、コレが目が点って状態なのかな、なんて思ったりして。
そんなことを思ってじっと阿部くんの目を見つけてたら、見る見るうちに阿部くんが耳まで真っ赤になった。

って、アレ、なんで真っ赤?

オレが食べたいのは、アイスだよ阿部くん、って、あ。
そうか、オレ、また、主語抜けてる。

「あのね、アイス、食べたい、オレ」
「・・・あ、ああ、アイス、アイスね」

阿部くんは「だよな、うん、そんなわけねーよな、うん」と耳まで真っ赤にしたままで、もごもごと頷いて。
オレはなんだかソレがおっかしくって、ほっぺたが上のほうにニィって上がる感じがした。

「あ、てめっ!三橋!!笑うンじゃねーよ!」
「フヒ、だって、阿部くん、顔、真っ赤なんだ、もん」

ああ、おっかし。おかしーの。
阿部くんあせっちゃって、まだ顔真っ赤だし。
なんか、なーんか、もっとからかいたくなっちゃう、な。
そう思って、オレはニヤニヤ顔のまま、口を開いた。

「阿部くんの、えっち」
「ちっげぇ!!ばか!!そんなんじゃねーよ!」

阿部くんは顔が赤いまんまで、オレにウメボシ。
オレはウメボシされたけど、笑ったまんまだった。







「あ、阿部くん、アイス買いにいこ?」
「えぇー・・・」





 

衝動的欲求

タイトルで、エロを想像された方、ごめんなさい(笑)
いやー、アイス食べたくて。片腕が。
それにしてもウチの純情ボーイは、どういう誤解をしたんでしょーかねー(笑←白々しい)
そしてあれです、ここまで素直に三橋がわがままを言える関係になってるアベミハ。
さらに、阿部くんをからかっちゃう三橋くん。
ああ、萌え。