きらきら、きらきら。
輝く星が好きで、よく空を見上げてた。
見上げていたらいつか、輝く星が降ってきて、あの小さくて暖かな光を手に入れられるかも、なんて。
けど、そんなこと出来るわけないって。
そんなことを、小さかったオレは、思っていた。
「三橋、入れるぞ」
オレに覆いかぶさってる阿部くんの欲に溺れた様な低い囁きが、オレの耳元を刺激した。
そんなことを思うオレも相当に欲に溺れていて、熱に浮されたまま「ん」と短く頷いた。
ソレを確認した阿部くんが、昂ぶったソレを、オレの尻にあてがう。
ゴムに塗られたオイルが外気に触れて少しだけ冷たい。けど、阿部くんのソレ自体は発熱でもしてるんじゃないかってぐらい熱いのを、オレは知ってる。
そうして、それにこれから貫かれるという緊張と至福とで、無意識のうちに体が強張った。
この瞬間は、本当にいつものことながら、慣れない。
というか、慣れるなんて一生ないんじゃないかってぐらいに、とっても嬉しくて、緊張してしまう。
そんなオレを、阿部君はじっと、オレの尻にソレをあてがったまま見つめてくるから。
あの、夜よりも黒い瞳の中に、キラキラとまるで星みたいな小さな光を燈して、見つめてくるから。
それで、ああ、オレ、今体固くなってる?って思うんだ。
だからオレはちょっとだけ息を吐いて、意識的に体の力を抜く。
感覚的には、朝練の瞑想みたいな。
それでオレは、スルリと阿部くんの首に両腕を回して、もういいよ、って意味をこめて、阿部くんの頬に頬擦りする。
顔の横で阿部くんが、ちょっとだけ笑った気配がして。
オレの尻に宛がわれていた、阿部くんのソレが、オレの中に進入してくる。
「・・・っは、」
ズグズグとだんだん穴が阿部くんの大きさに広がって、下腹の方から阿部くんでいっぱいになっていく、感覚。
ちょっと怖くて、少しもどかしくて、それで、それから。
それから、すごく、満たされた、カンジ。
言葉でもう言い表し様のないような、満腹感とも満足感とも違う、満ち足りた感じ。
ソレが下半身から脳天を貫いて、オレに伝えてくれる。
阿部くんが、俺の中に、いるって。
「あ、う・・・ぁ」
「三橋」
阿部くんがオレを呼ぶ。
その声が、熱を帯びて、頬にかかる息すらも熱くて、ぞくぞく、する。
もうオレは「何、阿部くん」って声を出すのすらできないほどに、欲に溺れていて、その代わりに阿部くんの首に回してる腕に力を入れた。
「動くけど、平気?」
「・・・ん、い、よ」
オレのがんばって出した「うん、いいよ」は、もうほとんど上ずって掠れていて。
けど、でも、こういうときの阿部くんは、絶対にオレの声を聞き逃さない。
阿部くんは少しだけ上体をそらす動きをみせた。
オレはソレに気がついて、阿部くんの首に回していた腕の力を緩める。
阿部くんの顔が、オレの顔の真上にきて、その夜より黒い瞳で、オレを見つめた。
キレイ、きれい。阿部くんの瞳は。
オレが見つめる、阿部くんの瞳は。
オレを見つめる、阿部くんの瞳は。
まるで夜空を切り取ってはめ込んだみたい、だ。
きらきら、きらきら。
輝く星が好きで、よく空を見上げてた。
見上げていたらいつか、輝く星が降ってきて、あの小さくて暖かな光を手に入れられるかも、なんて。
けど、そんなこと出来るわけないって。
そんなことをオレは、思っていた。
阿部くんの瞳の中に、あの輝く星の夜空が、ある。
欲しくて欲しくてたまらなかった、あの小さくて暖かな光が、ある。
「あべ、く、」
「ん?」
「キス、ほ、しー、な」
キスしたら、超至近距離だから。
至近距離で、あの光が見れるから。
阿部くんをオレの中に感じたまま、あの光を間近で見れる、から。
言ったオレに、阿部くんは笑顔をくれて、それでそれから、キスをくれた。
そしてオレはそのキスで、自分の中にある、阿部くんの瞳と同じ暖かい光を感じて。
あの夜空にある星を手に入れたみたいな気持ちになって。
きらきら光る夜空の星が欲しかった、小さな小さなオレ自身に「ほら、オレ、手に入れたぞ」って、言ってやりたくなるんだ。