「あべ、くん」













熱に浮かされたような、艶かしい声で俺を呼ぶ三橋に、俺は「ん?」と聞き返しつつ唇の端を上げた。
濃い蜂蜜色の瞳に薄い膜が張っていて、夜光灯のオレンジ色の光をキラキラ反射して。
ああ、たしか、こんな色の石があったっけ。
なんていったかな。
オレンジ色の、あれは、なんて石だったろう。

「も・・・あ、ぁ・・・べ、くん、いれ、て」

熱に浮かされ、欲に溺れてこぼす三橋の言葉は、いつも直球だ。
いや、普段から結構直球だけど、普通こんなときまで直球でいられるなんて、早々ないんじゃねーかと思う。
つっても、俺も三橋もこういう事をするのはお互いに初めて何だから、比較する人物なんているわけねンだけど。
なんて思いながら、俺は銜えていた三橋の昂ぶりを離した。
そのときにきっかりと舐め上げるのを忘れない俺はやっぱり、どこか欲に溺れてるんだろう。

「三橋」
「ん・・・」
「ドコにナニをイれて欲しーのかいわねーと、な?」

オマエいっつも主語がたんねンだから、慣らしとかねーと、だろ?

なんて言うのは建前。

三橋だって気がついてる建前。
けど、ほら、そうやって聞かれるの、オマエ好きなんだろ?
耳まで赤くして、けど、でも、薄い涙の膜が張った濃い蜂蜜色の瞳に暗い欲の色が浮かぶ。
ああ、いいね、その色。








すっげ欲情する。









「オレの、ここ、に、あべくん、の」

たどたどしく口にする言葉はけれど、迷いがない。
誘うように、三橋のタコだらけの右手が、オレの昂ぶりに触れた。

「あべくんの、これ、入、れて、欲しい」

そういって光る、夜光灯を照らし返すオレンジ色の。










――――あ、石の名前思い出した。



 





オレンジ

キャッツアイ


乙女阿部がなりを潜めています(笑)
あとはあれです、言葉攻め的なものをしようとおもって。
んで、失敗しました。(うわあああ)
時間系列的には「キミを支配する。」の直後っつーか、阿部verというか。