耳って、不思議な器官だな、とおもう。
だって耳が正常じゃないと人間って立ってらんないし。
あとそれから。

「な、んか、うまそう」
「は」

阿部くんの「い?」ってせりふと同時に、阿部くんの耳たぶをペロリと舐めた。
一瞬阿部くんがビクッと揺れて、顔がこっちに向きそうな気配。
あ、だめ。こっち向いちゃダメ。
ガシッと両手で阿部くんの頭を固定したら「ブッちょっおまっ!?」なんて抗議っぽい声が聞こえたんだけど、あえてスルー。
だって、本当にうまそうなんだ、耳。
ほら、沖縄料理にだってあるじゃないか、ミミガーって料理。






あ、でもアレは豚か。





今度は耳たぶに唇を寄せる。
やわらかい産毛の感触が下唇をくすぐった。
あ、ちょっとこれ、キモチイイかも。冷たい耳たぶと産毛の感じが、とってもイイ。

「ちょ、み、は・・・みは、し?」
「・・・」

阿部くんの声が、震えてる。
熱を帯びて、艶を帯びて、オレの耳の中に入ってくる。
ああ、ぞくぞく、する、な。

その声に酔いしれてうっとりしてたら、阿部くんの真っ黒な瞳と視線がかち合った。





あ、いつの間にか両手はずされてる。





「・・・っンだよ、その、顔、はっ」







耳まで真っ赤にした至近距離の阿部くんは、そのままオレの唇と自分の唇をまるで照れ隠しみたいに重ねた。







耳の味は。


 阿部はエロい三橋に翻弄されるべきだ