送っちゃった。
送っちゃった、送っちゃった、どうしよう!!
バレた。絶対にばれた!!
阿部くんに、俺の気持ち、バレちゃった!!!
―――ばらしたかったんだろ?
脳内で暗く響いた自分の声に、ギクリとした。
ぐちゃぐちゃのベッドの上であたふたと動かしていた上半身が、ギリシと止まる。
バラしたかった、のか、オレは。
いや、そんなはず、だって、阿部くんだぞ相手は。あの、阿部くんだぞ。
たとえ本当に阿部くんがオレのことを好きだったとしても、じゃあ何で阿部くんはオレに告白しなかったのかといえば、それは、オレが、男だからで。
男同士の恋愛は、ダメだから、で。
そんなの当たり前で、キホンテキなことで、だから、阿部くんはきっと、あんな熱っぽくて泣きそうなのに柔らかい暖かな光を瞳に燈してもなお、オレには何にも言わなかったのに。
なのに、オレは。
―――嫉妬だったら、どーする?
オレは、酷いことを、阿部くんに、したんだ。
そうだ、オレは、バラしたかった。
オレの気持ちに気づいてほしくて、榛名さんのメールに嫉妬したんだって気づいてほしくて、送ったんだ。
オレの気持ちをぶちまけて、ぶちまけたら壊れるっていうの、わかってたはずなのに。
オレだけが阿部くんの"三橋廉が好きだ"って気持ちも、オレの"阿部隆也が好き"って気持ちもわかってて。
オレは、それが、キツかった。
2人分の"好き"って真綿みたいな気持ちが、ゆるゆるとオレの喉を絞めつけていた。
その気持ちに視線をそらして気づかないふりするのが、キツくて、苦しくて、窒息しそうになって。
呼吸がしたくて、せめてオレの気持ちだけでも、引き受けてほしくて。
オレは、自分の保身のために、阿部くんにオレの気持ちを、伝えてしまったんだ。
馬鹿だ、オレは。
阿部くんのこと、好きなはずなのに、阿部くんのことなんか、これっぽっちも考えてない。
全部全部、オレが楽になるためだけに、そういう風にした。
そういう風に、仕向けたんだ。
「・・・っど、し、よ、オレ・・・オレ、オレは」
阿部くんが、好きなのに、阿部くんを、苦しめる、気だ。
ぼろりと涙があふれて、握り締めた手の甲に落ちた。
愛の病